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このホームページに立ち寄られたみなさんの中にも、ほしい本を求めて本屋に入ったものの、結局見つからずに帰った経験をされた方は少なくないだろう。
私は15年間コンピュータ書籍売り場にて、さまざまなお客様と接して、いろいろなことを学んできた。その中で私が特に注目してきたのが品薄本・品切れ本である。このなかに良書が眠っているのも、まれではない。そんな品薄・品切れ本を探しにきたお客様にもたくさん出会った。

ある日、店を訪れた50才代の男性がたずねてきた。「企画センターの“ ソフトウエア開発の神話 ”という本があって…若いころにその本を読んだが、意味がわからなかった。今なら理解できると思って買いにきた。」 しかし、出版社が倒産していて当然ながら本は絶版、手に入れることができなかった。ところが、当時Addison
Wesleyの編集に在籍していた藤村氏が見事に復活させていた。タイトルは「 人月の神話 」(原題の直訳)。そのお客様にそのことを説明すると満足されて店を後にされた。
またあるときには、20代の二人連れの会話が耳に入ってくる。それは先輩が後輩に話しているようだった。「おまえなー、グラフィックやるならこの本で勉強しろ。かべにぶち当たったら、きっと乗り越えることができるゾ。」 といった具合で、アスキーラーニングシリーズ「 グラフィックス 入門・実習・応用 」を探していたが場所がわからずにいたので思わず案内してしまった。そのときに改めてラーニングシリーズの良さを実感した。
アスキーの「 MINIXオペレーティングシステム 」が品切れになったとき(現在は絶版)、当時の営業の松平氏に無理をいって数冊を入荷。残り1冊になったある日、閉店直後に血相を変えて入ってきた若者がいた。「閉店ですが、何か探しものですか?」とたずねると、「“MINIX…”がネット上でおたくに1冊残ってるとあって、あわててきた」とのこと。これが最後の1冊です、と渡すとたいへん感動していた様子だった。
最近では、藤原氏の「 Cプログラミング診断室 」である。出版社(技術評論社)では品切れ状態、店では売れるわ聞かれるわの毎日で、出版社に聞くと絶版の方向で進んでいるとのこと。これはこまった!そこで、絶版するなら私に版権をくれとジョウダン半分本気半分でつめよると、それで動いた? かは分からないが増刷の半分はこちらで売るという条件で再販決定。いまだに売れつづけている。
コンピュータ業界、売れては消えるものばかり。定本・基本書も例外ではない。出版社は売れない本は絶版にする。書店は限られた店舗面積のなかで限られた本しか置けないので売れない本は置かない。読者はそのなかで本をさがし、見つからなければ店員に聞く。店員は日々の雑事に追われて勉強するひまがなく、知識不足。結局、本との出会いはなく終わってしまう。冒頭でも述べたように、このような経験をされた方も少なくないだろう。
このホームページの中で、埋もれてしまった、または埋もれてしまいそうな本たちを、必要としている人々の手元に届けたい―
このWeb上で少しでも多くの人が本と出会うことができれば、開いたカイがあったというものです。
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