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ISBN4-89362-192-0 パーソナルメディア発行
ゲナディ・P・ベルマン/ ゲーリー・D・ドーレン/ ロンニエ・マイニエリ / ウラジミール・I・チフリノビッチ 著
松田和典 訳
A5判 並製 192頁 本体価格2800円+税 2002年9月6日発売
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[内容]
次世代コンピュータ開発のための基礎理論をわかりやすく解説
本書は、既存のコンピュータとまったく違う原理で動作し、暗号解読、新薬開発、たんぱく質の構造解析など、開発が実現すれば広範な分野で大きな成果が期待される次世代の計算機「量子コンピュータ」の基礎理論を、研究者や学生向けにわかりやすく解説しています。
量子コンピュータは、1985年にイスラエル出身で理論物理学者の英オックスフォード大学教授デビッド・ドイチュにより提唱されました。古典力学(ニュートン力学)を用いた現在のコンピュータに比べて、ナノメートル(ナノは10億分の1を表す)という極めて微小な「原子」の世界を扱う「量子力学」を用いた次世代のコンピュータです。
古典力学を用いた現在のコンピュータでは、素子の中に電子が入っているかどうかを「0」または「1」で表現します。一方、量子力学を用いた量子コンピュータの場合、「0」であると同時に「1」でもある「エンタングル(重ね合わせ)状態」と呼ばれる不思議な状態がおきます。この「重ね合わせ状態」では2つの素子で4通りの演算が同時に処理できます。素子が3つなら2の3乗、4つなら2の4乗と、少ない素子数で大量の計算を行うことが可能になります。
こうした特徴をもつ量子コンピュータを用いることで、暗号解読、新薬開発、たんぱく質の構造解析といった、解析のために必要なデータをほんの少し増やしただけで、組み合わせによって一気に天文学的な量の計算を行わなくてはならない「計算爆発」が起きがちだった研究分野で、従来のコンピュータに比べて飛躍的に短時間で計算結果を出すことが可能になると言われています。実際、1994年には米AT&Tのピーター・ショア研究員によって、解読には億単位の年数が必要とされていた通信用の暗号が、量子コンピュータが実現すれば可能となる「量子計算」の手法を用いることで、わずか数十秒で解読できることが数学的に証明されています。
この量子コンピュータを学習するには、量子物理学とコンピュータサイエンスの両方の知識が必要とされますが、一般的にコンピュータサイエンスの研究者は量子物理学の概念や専門用語に馴染みが薄く、また量子物理学者にとってのコンピュータサイエンスも同じような状況になっています。本書は量子コンピュータの構築にチャレンジする研究者や学生の方々にとって必要となる基礎知識を、丁寧にわかりやすく書いた決定版的な入門書です。
[著者紹介]
・ゲナディ・P・ベルマン博士(ロスアラモス国立研究所理論部門メンバー。古典および量子力学、カオス力学の専門家)
・ゲーリー・D・ドーレン博士(ロスアラモス国立研究所非線形研究センター長代行。国立科学アカデミー、ゴダート宇宙航空センターなどを歴任)
・ロンニエ・マイニエリ博士(ロスアラモス国立研究所研究員)
・ウラジミール・I・チフリノビッチ博士(ニューヨーク工芸大学物理学講師。量子計算、磁気共鳴など各分野で100以上の研究論文を執筆)
など、米国ロスアラモス国立研究所の研究員を中心とした、量子コンピュータの第一線の研究者によって書かれました。
訳者の松田和典博士は筑波大学大学院修士課程を修了後、東芝NAIG研究所を経て1992年より鳴門教育大学助教授として勤務しています。
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